デジタルカタログのデジタル化を検討しているものの、「何から手をつければいいか分からない」「業者に依頼すべきか、自分で作成すべきか迷っている」「作成ツールが多すぎてどれを選べばいいか分からない」といった課題をお持ちではないでしょうか。
この記事では、そうした悩みを解決するため、デジタルブックの定義から、時間やコストを抑える「作成ツールの利用」と「業者への依頼」の比較まで解説します。さらに、初心者でも迷わないActiBook(アクティブック)を使った具体的な作成手順や、目的に合わせたツールの選び方、他社の成功事例を紹介します。
この記事を読めば、あなたが抱えるデジタルブック作成・活用に関する疑問が解消され、今日からすぐにデジタル戦略の第一歩を踏み出せるようになります。
目次
デジタルブックとは、紙の書籍やカタログのようにページをめくる感覚をデジタル上で再現したコンテンツです。PC、スマートフォン、タブレットなど、Webブラウザから手軽に閲覧できる電子冊子のことを指します。電子ブックやe-bookとも呼ばれます。
デジタルブックの最大の強みは、テキストや画像だけでなく、リンク、動画、音声といった多様なメディアを組み合わせて構成できる点です。これにより、静的な紙媒体では提供できなかったリッチな情報と快適な閲覧体験を読者に提供します。
単にデータを持ち運びに便利なデジタル形式にしただけでなく、文字サイズの調整、キーワード検索、そして誰が、いつ、どこを見たかというログデータ(アクセス解析)の取得など、紙媒体では不可能な高度な機能を利用できるのが特徴です。
その用途は幅広く、顧客向けのカタログやパンフレット、製品マニュアルといった販売促進・ユーザーサポートだけでなく、社内向けのマニュアルやトレーニング資料にも活用され、業務効率化や環境負荷の低減(ペーパーレス化)にも貢献するツールです。
デジタルブック作成ツールの多くは、基本的な機能として、テンプレートの利用、画像やテキストの挿入、ページの追加・削除が可能です。さらに、動画やECサイトへのリンクを組み込むことで、顧客の興味を引きつけるインタラクティブなユーザー体験を提供し、直接的なコミュニケーションを促進できます。
参考:デジタルブックを無料で作成する方法とは?おすすめツールと活用法を紹介
デジタルブックを作成するには、業者に依頼する「制作代行」と自分で電子化する「デジタルブック作成ツール」の、主に2つの方法があります。
| 項目 | ツールを利用し自社で作成 | 作成を外部へ委託 |
|---|---|---|
| 主な費用 | 有料プラン利用時のみ発生。 | 制作に必要な費用が発生 (数万円〜数十万円)。 |
| 公開までの速さ | 最短数分で公開可能。修正もすぐに反映できる。 | 打ち合わせや校正が必要なため、 公開まで数日〜数週間かかる。 |
| 変更・修正の自由度 | いつでも、何度でも、費用をかけずに修正・更新が可能。 | 修正のたびに費用や時間がかかる 場合が多い。 |
| ノウハウの蓄積 | ツールの操作方法や活用に関するナレッジが社内に残る。 | ノウハウは外部業者に留まり、自社内には蓄積されない。 |
デジタルブックを自分で作成する場合は、デジタルブック作成ツールを使います。「デジタルブック作成ツール」にはPCにインストールして利用する「PCツールウェア型」と、ブラウザで作成できる「SaaS/クラウド型」があります。初めての方には導入が簡単で、操作難易度も低いツールが多い「SaaS/クラウド型」をおすすめします。
デジタルブック作成ツールでは自分でコンテンツを管理できるため、好きなタイミングで資料の更新ができる、閲覧ログの分析ができるなど、自由度高く活用することができます。資料をよく更新する、資料送付後の閲覧状況を自分のタイミングで確認したい方などはデジタルブック作成ツールを活用しましょう。
無料で使えるフリープランを設けているツールが多いので、操作感や完成時の見た目を確認するためにも、無料で始めてみると良いでしょう。
制作代行は、印刷物の原本を業者に渡して、スキャンからデジタルブック化までを代行してくれるサービスです。「1冊○○円〜」と費用がかかるほか、冊数やページ数によって従量課金が発生するという特徴があります。デジタルブックを1冊のみ作成したい、資料内容の更新頻度が低い方に向いています。
資料内容の更新や修正をしたい場合、内容を逐一指示する必要があるため、次にご紹介する作成ツールに比べると自由度は下がります。
ここでは、デジタルブック作成ツールActiBookを例に、デジタルブック作成の手順についてご紹介していきます。作成は専門知識不要で非常に簡単です。

はじめに、デジタルブック化したいPDFデータを用意します。既にカタログやパンフレット、営業資料などがある場合はデータをお持ちかと思います。ツールによってはPDFだけでなく、動画(mp4、mov)や、Word(doc、dox)・Excel(xls、xlsx)・PowerPointなどのOfficeファイル配信にも対応しています。
データを用意できたら、デジタルブック作成ツールを開き、指定箇所へデータをドラッグ&ドロップします。データ容量によりますが、大きすぎないデータであれば数秒でアップロードが完了します。


アップロードが完了した後は、デジタルブックのタイトルや開き方の方向、公開期間などを決めていきます。項目にチェックを入れるだけで進められるので、難しい知識がなくても簡単に設定ができます。
最後に設定項目に間違いが無いかを確認し、問題が無ければ「完了」をクリックします。URLが生成されるので、そのリンクを共有するだけでユーザーへ作成したデジタルブックを配信することができます。
また、コンテンツが無事にデジタルブック化されると、作成したデジタルブックが一覧で表示される機能もあり、コンテンツ管理も簡単に行うことが可能です。基本的にツールの指示に従って作成を進めていけば、初心者でも簡単にデジタルブックを作成できることがお分かりいただけたと思います。
無料プランがあるデジタルブック作成ツールは、国内サービスでは「ActiBook」のみです(2025年11月現在)。その他のサービスは、無料期間が設けられていたり、作成は無料でも利用・公開には費用がかかる場合があります。
ここでは、無料トライアルも含めた主要なデジタルブック作成ツールを紹介します。
| ツール名 | 主な機能と導入メリット | 料金 | おすすめのユーザー |
|---|---|---|---|
| ActiBook | 【導入社数 20,000社以上/サービス継続率99.3%】PDFをアップロードするだけで高速表示のデジタルブックが完成。詳細な分析機能とセキュリティ機能を搭載。 | フリープランあり | 顧客の閲覧データをしっかり分析し、デジタルマーケティングや営業活動に活かしたい企業。 |
| meclib | ECサイト連携、動画・音声などコンテンツ埋め込みが可能なツール。型番検索などのカスタムデータベース機能も搭載。 | クラウドプランプレミアムコース:55,000円/月 | デジタルブックを販売促進機能やECサイトと強力に連携させたい企業。 |
| ebook5 | 表示速度が速く、全文検索やテキストのコピー&ペーストが可能。シンプルな操作法が魅力。 | ビジネス30:11,000円/月 | 費用対効果と高品質・高速表示を重視する企業。 |
| FLIPPER U2 | 社内マニュアルや研修コンテンツでの利用に強み。オフラインでの閲覧も可能(オプション)。 | エキスパート:345,600円/年 | 閲覧者の進捗管理や、オフライン環境での利用が必要な企業。 |
| SimplePage | カタログのようなデザイン性とWebサイトのような情報量・更新性を融合した新しい販売プラットフォーム。AIを活用した機能も充実。 | クラウド(サーバ占有):39,000円/月 | 使いやすさとコストの柔軟性、販促媒体の改善を重視する企業。 |

「ActiBook(アクティブック)」は、PDFやWord、Excel、PowerPointなどのファイルを、パソコン・スマートフォン・タブレットで閲覧可能なデジタルブックに変換できるツールです。紙冊子のレイアウトを保ちながら、簡単な操作で電子化でき、マニュアルや手順書の共有方法を効率化します。ページ別の閲覧数や検索キーワードなどを記録し、どの情報がよく参照されているかを把握できる機能もあります。
頻繁に改訂が必要な資料は、印刷や再配布の負担が大きくなりがちです。ActiBookを導入すると、電子化した資料をリンクで共有でき、更新後も同じURLからアクセス可能になります。配布作業の手間を減らしつつ最新情報を届けられます。
また、検索機能付きのデジタルブックとして活用できるため、必要な情報を探しやすくなります。無料プランも用意されており、初期費用をかけずに効果を検証しながら運用範囲を広げられます。
参考:3ステップでデジタルブックの作成から配信まで可能|ActiBook(アクティブック)

誰でも簡単にデジタルブックを作成・公開・管理できるクラウドサービスです。動画、YouTube、GIFアニメーション、音声、Googleマップなど、多彩なコンテンツを設定できます。また、企業が保有するデータベースを利用し、型番検索や品名検索などを簡単に実装できる「カスタムデータベース機能」などを備えている点が特徴です。
参考:meclib

シンプルな操作法で、高品質で高速表示ができるデジタルブックをわずか3分ほどで作成できるクラウドサービスです。アウトライン化されていないテキスト情報を持つPDFから作成した場合でも、全文検索やコピー&ペーストに対応しています。
参考:ebook5

HTML5対応のデジタルカタログ・ブックを作成が可能です。オプションを追加することで、オンラインだけでなくオフライン環境でも閲覧が可能となります。ページ数や利用頻度に応じた8つのプランから選択でき、使った分だけ支払う「従量課金」プランがあるのが他サービスにはない特長です。
参考:FLIPPER U2

SimplePage®は、カタログのような俯瞰的な調べやすさと、Webサイトのような豊富な情報量と更新性を融合させた、Webと紙が融合したような新しい販売プラットフォームです。商品単位ではなくブロックで情報を管理するため、複数のメディアへの展開もスムーズです。AIを活用した説明文の自動生成や多言語翻訳、スペルチェックなど、販促媒体を改善し、売上拡大につなげるための機能も充実しています。
参考:SimplePage
デジタルブック作成時のポイントを紹介します。読者の利便性向上とコンテンツの質を高めることに焦点を当てましょう。
デバイスによって見え方が変わるため、読者の利便性を考慮したレイアウトに変更する必要があります。例えば、A4サイズの資料をそのままデジタルブックにすると、PCやタブレットでは問題なくとも、スマートフォンでは読みにくくなる可能性があります。
読者がよく使用するデバイスに合わせて、文字の大きさや色、画像を整えることが大切です。快適に閲覧できるレイアウトを考えましょう。
ただし、開発会社によってレスポンシブ機能を備えたツールもあります。デバイスによって見た目が最適化されるため、調整の手間を最小限にすることも可能です。
良質なコンテンツは読者の興味を引き、満足度を高める効果があります。一方で質の低いコンテンツは離脱の原因になり、不満を抱かれる可能性があります。質の高いコンテンツを提供しましょう。
長文は短く区切り、専門用語や難しい言い回しは避けるか、説明を添えます。ときには箇条書きや見出しをつけて、読者の理解と情報整理を助けます。また、適切な改行や文字の大きさ、段落の区切りを設定することで、読者の目の負担を軽減し、快適な読書体験を提供します。
信頼性のある情報・正確な情報を記載し、読者に価値を提供できるものは質が高いコンテンツといえます。専門家の意見や統計データなどを引用するのも良いでしょう。
抽象的なコンテンツは読者の理解を妨げます。成功事例や体験談など、読者が身近に感じられる具体例を紹介することで、抽象的な概念を具体化させられます。
図や表、画像、動画などの視覚的な要素を随所にちりばめると、コンテンツをよりわかりやすく、魅力的なものにできます。ただし多用は避けて、適切な箇所で使用することが重要です。
読者の興味を引き出して、飽きさせず継続した閲覧を促すには、印象的なデザインが欠かせません。ターゲットの趣味趣向を考慮したデザイン、鮮やかな色彩や魅力的なイラスト、引きつけるタイトルなどを活用して、読者の好奇心を刺激しましょう。デジタルブックのデザインはブランディングにも関係するため、ブランドのカラーやイメージにあわせた一貫性のあるデザインを作ることで、ブランドのアイデンティティを強く印象づけることも可能です。
デジタルブック作成ツールを選ぶ時は、まず「誰に」「何を」伝えたいかという目的別に選定すると良いでしょう。
社内資料配布であればセキュリティ機能が万全なツール、一般家庭向けに製品カタログを配布するのであればスマホやタブレットでも閲覧できるマルチデバイス対応をしているツールを選びます。
自分で簡単に作れるか(操作性)や、コンテンツがしっかりと表示されているか(視認性)、閲覧者が見やすい見た目か(完成形)などのポイントも考慮すると良いでしょう。
実際にデジタルブックを導入した企業は、どのような効果を得ているのでしょうか。ここでは、ActiBook(アクティブック)を導入し、業務効率化や売上拡大を実現した企業の具体的な成功事例を紹介します。
JR東京駅エキナカ商業施設「グランスタ」のホームページにデジタルブックを導入した事例です。各階のマップにリンクボタンを埋め込むことで、デジタルマップのような仕組みを作っています。
デジタルブックに変えたことで、コストを抑えて、デジタルマップのようなシステムを構築でき、地図からショップ詳細ページまで移動できる「付加価値のある地図」を提供できるようになりました。また内容の差し替えが簡単にできるため、店舗の入れ替わりが多い商業施設でも最新の情報を素早く提供できるようになりました。
参考:地図にリンクボタンを。電子ブックでデジタルマップのようなわかりやすさを目指す | 株式会社JR東日本クロスステーション様
大学や専門学校などの教員の方へ送る、語学テキストの審査用見本(大学教科書の見本誌)をデジタルブックにした事例です。必要に応じて印刷やPDFのダウンロードができるように設定しています。
外注していた電子書籍や電子カタログの作成を内製化したことで、外注費用のコストを大幅に削減できました。また、物流費の削減に加え、発送作業などの人的負担もかなり軽減されました。さらにログデータを取得して、マーケティングツールとしても活用しています。
参考:教科書の審査用見本を電子化し、制作費や外注費の大幅なコストダウンを実現!マーケティングツールとしても活用できる点に魅力を感じました|株式会社朝日出版社様
紙の商品カタログをデジタルブック化し、社内で情報共有を行う際の社内動画にも活用している事例です。
海外の代理店にURLを送信するだけで商品カタログが共有できるようになり、発送や印刷にかかる費用を大幅に削減できました。また、営業時にカタログを持ち運ぶ必要がなくなり、常に最新の情報が反映されたカタログを利用できるようになりました。デジタルブックの転送・印刷禁止機能を活用して、資料が独り歩きするなどのリスク軽減にも取り組んでいます。
デジタルブックはテキスト以外でも活用できます。「IDとパスワードを発行すればクローズドで閲覧できる」「専用の本棚サイトに動画を格納できる」「閲覧数が確認できる」というメリットを活用して、本事例では社内動画を配信するプラットフォームとしても利用しています。
参考:ActiBookで社内動画の配信&商品カタログを電子化。動画の閲覧数増加や印刷費の削減、スムーズな商談の実現などさまざまな効果を実感しました|ファイテン株式会社様
A:特別なスキルは必要ありません。多くのデジタルブック作成ツールは、PDFやOfficeファイルをアップロードするだけで、直感的な操作で作成することが可能です。
A:デジタルブック作成ツールは、通常、SSL暗号化、パスワード保護、IPアクセス制限など、データを安全に保つための複数のセキュリティ機能を提供しています。また、シングルサインオン(SSO)も有償で利用できるサービスもあります。
A:ツールに修正後のPDFなどを再度アップロードするだけで、即座に更新が反映されます。これにより、情報を常に最新の状態に保つことができます。
A:ActiBookを例に挙げると、PDF、動画(mp4、mov)、Word、Excel、PowerPointなど、幅広いファイル形式に対応しています。
デジタルブックは、印刷コストや郵送費の大幅な削減だけでなく、Web上のデータ分析による営業活動やマーケティングの効率化という、デジタルならではのメリットを提供します。無料プランを提供しているActiBookなどを利用すれば、費用をかけずにその効果をすぐに実感できます。
まずは本記事を参考に、無料プランを使ってデジタルブックを実際に作成し、その操作性や効果を体感してみてください。または、デジタルブックの資料を請求し、具体的な導入イメージを掴むことから始めてみましょう。
資料のデジタル化を進めることで、御社のマーケティング戦略を成功へと導きましょう。