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デジタルカタログと聞くと、「紙のカタログをインターネットで見られるようにしたもの」というイメージが先行しがちです。しかし、デジタルカタログはその域に留まらず、営業やマーケティング活動の効率を向上させる強力なビジネスツールへと進化しています。
本記事では、デジタルカタログを導入することで得られるメリットとビジネスシーンにおける利便性、そして導入を成功させるためのツールの選び方について解説します。
目次
デジタルカタログとは、紙の書籍やカタログのようにページをめくる感覚をデジタル上で再現したコンテンツです。PC、スマートフォン、タブレットなど、Webブラウザから手軽に閲覧できるデジタル冊子のことを指します。デジタルブックや電子ブック、e-bookとも呼ばれます。
デジタルカタログの強みは、テキストや画像だけでなく、リンク、動画、音声といった多様なメディアを組み合わせて構成できる点です。これにより、静的な紙媒体では提供できなかったリッチな情報と快適な閲覧体験を読者に提供します。
単にデータを持ち運びに便利なデジタル形式にしただけでなく、文字サイズの調整、キーワード検索、そして誰が、いつ、どこを見たかというログデータ(アクセス解析)の取得など、紙媒体では不可能な高度な機能を利用できるのが特徴です。また、デジタル上で紙のカタログと同等か、それ以上の表現が可能です。
参考:デジタルカタログ作成ツールおすすめツール5選|導入メリット・デメリットも解説
デジタルカタログを導入することで、紙媒体では実現できなかった費用削減と顧客・社員双方にとっての利便性の向上という大きな恩恵を得ることができます。ここでは、具体的な5つのメリットを解説します。
デジタルカタログは、印刷、配送、および保管にかかる費用を削減します。具体的には、紙のカタログの印刷費用、長期的な保管スペースのコスト、そして配布に必要な物理的な配送コストを削減できます。カタログを多く発行し、頻繁に更新する企業にとっては特にインパクトの大きいメリットです。
紙のカタログを完全にゼロにするのではなく、必要に応じて提供し、それ以外はデジタルカタログで運用するハイブリッドな形式で採用されるケースが増えています。
デジタルカタログはインターネットに接続されていれば、スマートフォンやパソコンなど、デバイスを選ばずどこでも見ることが可能です。利用するツールによっては閲覧制限をかけたり、ネット環境がない場合でも閲覧できる機能もあります。
紙やPDFのカタログでは動画や音声などを表現することはできませんが、デジタルカタログであれば、顧客の関心を惹きつける動画やリンクといった仕掛けを施すことが可能です。これにより、顧客に高品質な体験を提供できます。
カタログを更新するたびに印刷し直したり、お客様にPDFを送り直したりする手間が発生します。デジタルカタログであれば、更新した際にURLはそのままになるため、必要な部数だけの印刷に留めたり、お客様に容量の重たいPDFを送り直す必要がなくなります。
紙やPDFでは、どのページがどれだけ閲覧されているのか調査することは困難です。デジタルカタログはどのページが最も多く見られているかなどの詳細なユーザー行動データを収集できます。そのデータをもとにデザインを修正したり、導線を改善していくことで、結果的に売上貢献へとつなげることが可能になります。
デジタルカタログは、営業とマーケティング担当者の業務効率と成果に直結します。
デジタルカタログを活用することで、営業担当者は顧客訪問時にかさばるカタログを持ち歩く必要がなくなります。複数のカタログもデジタルカタログ上で検索可能なため、資料を探す手間も軽減します。
PDF資料をお客様にメールで送付する際、ファイルが重たくて送信に時間がかかったり、お客様側で閲覧できない状況が起こる場合があります。デジタルカタログはURLに変換されるので、お客様にはURLさえ送るだけでよくなり、ファイル容量のストレスがなくなります。
お客様に資料を送ったはいいものの、閲覧されたのか、どこに興味があるのかわからない状況はよくあります。デジタルカタログツールによっては、閲覧状況に加えて、閲覧されたことを通知する機能が備わったものがあります。これらを活用することで、お客様に合わせた提案や情報提供を行うことが可能になります。
資料を更新するたびに、資料請求後のサンクスページや、資料を添付しているお礼メールの更新が必要です。資料の数が多ければ作業の抜け漏れも発生します。デジタルカタログであれば資料を更新してもURLが変わらないので、これらの修正作業が不要になります。
Webマーケティング施策の一つであるホワイトペーパー施策において、提供した資料がお客様の役に立ったかどうかを測定するのは難易度が高いです。デジタルカタログであれば、ホワイトペーパーごとに関心度合を計測できるため、資料の改善につながるヒントを見つけることが可能になります。
デジタルカタログは多くのメリットがありますが、導入前に知っておくべきデメリットと、それに対する対策も存在します。
| デメリット | 対策 |
|---|---|
| インターネット接続環境への依存 | サービスによってはオフラインでの閲覧機能を提供しているツールを選ぶ。 |
| 特定の閲覧ユーザー層への配慮 | 操作ガイドを別途用意する、あるいは直感的な操作性に優れたツールを選ぶ。 |
| 画面の大きさによる視認性の限界 | 資料作成時に、スマートフォンでの閲覧を前提としたレイアウトを意識する。 |
| 閲覧デバイスによる色の再現性の違い | 厳密な色管理が必要なカタログの場合、デジタル表示と実物の色の差異について注意書きを記載する。 |
デジタルブック作成ツールを選ぶには、以下の5つのポイントを考慮することが重要です。
まずはデジタルブックの利用目的を明確にします。印刷コストを下げるため、あるいは資料を計測してどれくらいお客様に読まれたのか分析したいなどです。
単なるデジタル化だけで費用対効果が合わない場合もあるため、デジタル化だけではなく、幅広い用途で利用できるツールであるかを検討し、営業担当者などに自社での使い方を相談してみるのもいいでしょう。
使いやすさは、運用していく際に非常に重要です。導入者だけでなく、実際に使っていく方々が使いにくさを感じると、余計な学習コストややりとりが発生します。
また、デジタルカタログ化した資料を閲覧する方の多くが高齢者などの場合、操作に不慣れなために問い合わせが増える可能性もあります。このような点も考慮して、実際にツールを触って検討しましょう。
サポートが必要かどうか、またサポートの範囲でツールの費用が変わってきます。基本的に無料のサービスではサポートは受けられません。
有料ツールでは費用内にサポート代が含まれていることが多いですが、機能面以外のサポート(デザイン、マーケティング支援など)ができるかどうかは提供企業によって異なります。
ほとんどのツールでは、デジタル化した際のURLがSSL化されていたり、IPアドレスで閲覧制限をかけたりすることが可能です。利用用途によっては求められるセキュリティ要件が異なったり、導入に際して情報システム部門から調査を求められたりするケースがあります。セキュリティ要件を満たしているのか、セキュリティチェックシートへの対応を行っているのか確認しておきましょう。
有料版のデジタルブック作成ソフトには、月額費用と買い切り形態の2つの支払い形態があります。
月額費用が発生するケースでは、サポート費用が内包されているため、トラブル時に迅速に対応してもらえたり、定期的なアップデートが自動で行われるメリットがあります。買い切り形態では金額は抑えられるものの、上記のようなことは基本的に受けられません。運用中の手間や予算を考慮して選択しましょう。
デジタルカタログ作成ツールを試したい場合、完全に無料で利用できる国内サービスは多くありません。例えば、ActiBookなら、期間を設けずに無料プランを提供しているので、操作性や効果を確認してみるのにおすすめです(2025年11月現在)。

「ActiBook(アクティブック)」は、PDFやWord、Excel、PowerPointなどのファイルを、パソコン・スマートフォン・タブレットで閲覧可能なデジタルカタログに変換できるツールです。紙冊子のレイアウトを保ちながら、簡単な操作でデジタル化でき、マニュアルや手順書の共有方法を効率化します。ページ別の閲覧数や検索キーワードなどを記録し、どの情報がよく参照されているかを把握できる機能もあります。
頻繁に改訂が必要な資料は、印刷や再配布の負担が大きくなりがちです。ActiBookを導入すると、デジタル化した資料をリンクで共有でき、更新後も同じURLからアクセス可能になります。配布作業の手間を減らしつつ最新情報を届けられます。
また、検索機能付きのデジタルカタログとして活用できるため、必要な情報を探しやすくなります。無料プランも用意されており、初期費用をかけずに効果を検証しながら運用範囲を広げられます。
参考:3ステップでデジタルブックの作成から配信まで可能|ActiBook(アクティブック)
実際にデジタルカタログを導入した企業は、どのような成果を上げているのでしょうか。ここでは、紙媒体が抱える課題をデジタルカタログで解決し、マーケティングや営業活動の効率化を実現した具体的な事例を紹介します。
定期的に発行している月刊誌や商品カタログは種類や数が多く、以前は利便性を考慮してPDFファイルをウェブサイトにアップロードしていました。しかし、実際にお客様がどのくらい資料を見ているのか、表示は使いやすいのか、といった閲覧状況の計測が一切できないという課題がありました。
紙カタログをデジタルカタログ化したことで、ウェブ広告やランディングページ(LP)から流入したお客様にも、紙の資料と変わらない品質で商品情報を提供できるようになりました。さらに、デジタルカタログの閲覧データを取得できるようになり、お客様の関心を正確に把握できるようになりました。
導入事例:コストをおさえた使いやすいツールで、紙カタログを電子化。今まで届けられなかったお客様にも広く情報提供できるようになり、CVRは12.7%を達成!|株式会社SL Creations様
大学や専門学校などの教員の方へ送る、語学テキストの審査用見本(大学教科書の見本誌)をデジタルブックにした事例です。必要に応じて印刷やPDFのダウンロードができるように設定しています。
外注していた電子書籍やデジタルカタログの作成を内製化したことで、外注費用のコストを大幅に削減できました。また、物流費の削減に加え、発送作業などの人的負担もかなり軽減されました。さらにログデータを取得して、マーケティングツールとしても活用しています。
参考:教科書の審査用見本を電子化し、制作費や外注費の大幅なコストダウンを実現!マーケティングツールとしても活用できる点に魅力を感じました|株式会社朝日出版社様
デジタルカタログは営業・マーケティング活動に多くのメリットをもたらしますが、その効果はツールの機能と貴社の利用目的が合致しているかで決まります。まずは、解説した「5つの選び方のポイント」を参考に確認してみてください。
その上で、デジタルカタログがどのようなものか体験するためにも、無料プランがあるActiBookを使い、その操作性や効果をぜひ体験してみてください。また、具体的な機能や費用、活用事例についてより知りたい方は、ActiBookの資料請求もあわせて行うことをおすすめします。
ActiBookは顧客の興味行動が分かり 効率的・効果的なセールス活動を 促進する電子ブック作成ツールです
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