印刷会社が電子ブックを提案するときのポイントは、紙媒体の代わりとして売り込まないことです。紙とデジタルを組み合わせて、顧客の課題を解決する提案にしましょう。
「印刷部数が減っている」「相見積もりで価格競争になりがち」という課題を抱える印刷会社にとって、電子ブックは新しい提案の切り口になります。紙のカタログやパンフレットに、閲覧ログの分析やWeb配布といった付加価値を加えれば、印刷以外の受注機会も広がります。
本記事では、印刷会社様の提案支援に携わるActiBookの営業担当者へのインタビューをもとに、電子ブックを提案する5つの方法と、紙とセットで販売するコツを解説します。現場で見えてきた「顧客に響く切り口」や「印刷会社がつまずきやすいポイント」に加え、実際の印刷会社の導入事例や商談用サンプルの作り方も紹介します。
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目次
紙媒体の需要や、顧客の情報収集の方法が変わりつつあります。印刷会社にも、印刷物の制作だけにとどまらない提案が求められています。
電子ブックを取り扱うと、印刷会社には主に次の3つのメリットがあります。
印刷物の価格だけで比較される案件では、競合との差別化が難しくなります。
紙のカタログ制作と電子ブック化をセットにすれば、印刷費以外の制作費や運用費も提案できます。例えば、カタログの印刷に加えて、電子ブックの制作、会員管理、閲覧ログのレポート作成まで請け負う形です。
クライアント企業とデジタル領域でも伴走支援できることが、利益機会の拡大につながります。
印刷物は納品時に売上が立つ案件が中心ですが、電子ブックは納品後も顧客との接点を持ちやすくなります。
カタログの情報更新、閲覧ログの分析、公開資料の管理などを継続して請け負えば、月額契約や定期更新のメニューとして継続的な収益を得る機会が生まれます。
顧客が印刷物のデジタル化を検討したとき、自社で対応できなければ、Web制作会社など別の事業者に相談が移るおそれがあります。そのまま印刷物の発注先まで切り替えられるリスクもあります。
印刷会社が電子ブックまで提案できれば、紙の制作データを活かしながらデジタルの情報発信も支援できます。「印刷物を納品する会社」から「情報の届け方まで相談できる会社」になることが、既存顧客との取引を守ることにもつながります。
電子ブックは単体で売るより、既存の印刷業務と組み合わせると提案の幅が広がります。
| 販売メニュー | 提供する内容 | 収益につながる業務 |
|---|---|---|
| 紙+電子ブック制作 | 印刷物と電子ブックをセットで納品 | 印刷費・電子ブック制作費 |
| 電子ブック更新代行 | カタログの改訂やデータの差し替え | 更新作業費 |
| 閲覧ログ分析レポート | 閲覧状況を集計して報告 | 定期レポート費 |
| 本棚サイト構築 | 複数の電子ブックをまとめて公開 | 構築費・管理費 |
| 本棚サイト(会員サイト)運用代行 | 会員の管理やお知らせを代行 | 運用費 |
すべてを最初からメニュー化する必要はありません。まずは既存顧客のカタログやパンフレットを電子ブック化し、制作と更新をセットで提案するところから始めるとよいでしょう。
電子ブックを提案するときは、機能を一つずつ説明するより、顧客の課題に合わせて使い方を示す方が伝わります。ここでは、商談で使いやすい5つの提案方法を紹介します。
紙のカタログやパンフレットは、展示会や対面営業で直接手渡せるのが強みです。一方、Webサイトやメールで情報を届ける場合は、電子ブックの方が配布しやすいケースもあります。
例えば、営業担当者が手渡す分は紙で残し、Webサイトでの閲覧やメールでの案内には電子ブックを使う方法です。顧客が印刷部数の削減を検討しているなら、紙をなくすのではなく、用途に合わせて部数を見直す提案ができます。
提案トーク例
「紙のカタログは展示会や営業活動で使いながら、Webサイトやメールでの配布には電子ブックを活用しませんか。紙が必要な場面は残しつつ配布方法を見直すことで、印刷・郵送コストの最適化につなげられます」
印刷会社としても、紙媒体の制作を維持しながらデジタルの案件を追加できるため、双方にメリットのある提案です。
紙の資料では把握しにくい閲覧状況を確認できる点も、電子ブックの強みです。
ActiBookでは、ページごとの閲覧数やリンクのクリック状況などを分析できます。利用する機能や閲覧者の認証方法によっては、「誰が・どのページを・いつ見たか」といった閲覧者単位の把握にも活用できます。
例えば、製品カタログを電子ブック化して、よく閲覧されている商品ページを確認し、次回のカタログ制作や営業活動に生かすといった提案ができます。
提案トーク例
「紙のカタログでは、配布したあとどのページが読まれているかを把握するのは難しかったと思います。電子ブックを併用すればページごとの閲覧状況を確認できるため、次回の改訂や販促施策の参考にできます」
制作して終わりにせず、閲覧データの分析やレポート提出まで提案すれば、継続的な取引にもつながります。
なお、取得できる情報は利用する機能や設定によって異なります。個人単位で分析したい場合は、対応機能と個人情報の取り扱いを事前に確認しましょう。
参考:デジタルブックを分析して効果を最大化|閲覧ログ活用3選
商品情報や価格の変更が多い企業には、更新のしやすさが提案の切り口になります。
紙のカタログは、一度印刷すると修正に再印刷が必要です。電子ブックであれば、修正したPDFを再登録するなどの方法で内容を更新できます。
例えば、紙のカタログは一定期間ごとに改訂し、その間の変更情報は電子ブックで案内する運用が考えられます。
提案トーク例
「商品情報が変わるたびにカタログを刷り直すのは大変ですよね。紙は必要な部数を制作しながら、変更が多い情報は電子ブックで更新できるようにしておくと、常に最新の情報を案内しやすくなります。内容を更新してもURLは変わらないので、一度お送りしたURLやWebサイトのリンクもそのままお使いいただけます」
更新作業を印刷会社が請け負えば、継続的な運用業務として提案できます。
製品ごと、部門ごとに多くのカタログを発行している企業には、本棚サイト機能が役立ちます。
ActiBookでは、アップロードした電子ブックをカテゴリごとに整理し、本棚サイトとして公開できます。バラバラになっている製品カタログ、施工事例集、会社案内などを、一つのURLで案内できるようになります。
提案トーク例
「カタログが増えて、Webサイト上での管理が大変になっていませんか。本棚サイトを使えば製品ごとに資料を整理して掲載できるので、お客様が必要なカタログを探しやすくなります」
複数の印刷物を継続的に制作している顧客に、追加制作や管理業務を提案するきっかけにもなります。
一般公開できない資料を扱う企業には、閲覧できる人を制限する方法が提案できます。
ActiBookでは、会員限定サイトなどを使って「鍵付きコンテンツ」として公開範囲を管理できます。代理店向けの商品資料や、会員向けの情報を提供する場合に役立ちます。
提案トーク例
「代理店様だけに共有したい資料があれば、閲覧できる方を制限した電子ブックでの配布も検討できます。紙の資料とあわせて、Web上でも必要な情報を届けられるようにしませんか」
ただし、会員機能の利用条件や、ダウンロード・再共有の制限範囲は事前に確認が必要です。機密性の高い資料を扱う場合は、顧客のセキュリティ要件に合うかも確認しましょう。
ここでは、ActiBookを活用している印刷会社の事例を紹介します。
沖縄高速印刷株式会社様では、印刷材料費の高騰を受けて、価格以外の価値を提供する必要がありました。
そこで、過去に制作した印刷データを電子ブック化する提案を行い、付加価値によって相見積もりを回避する営業につなげています。この提案で、実際に15件を受注しています。
すでに保有している制作データを活用できるため、新しい提案メニューを考える際の参考になる事例です。
参考:沖縄高速印刷株式会社様の導入事例を見る
青樹印刷株式会社様では、紙の印刷物が売上の中心を占めるなか、顧客から印刷物の制作を見直す相談が増えていました。
そこで、ActiBookとAIチャットボットを組み合わせ、紙の印刷物だけでは解決しにくい課題にも対応できる提案を進めています。
特徴的なのは、見積もりだけを提示するのではなく、顧客の課題に合わせたサンプルを作って持参している点です。実際に使える状態を見せることで、顧客が導入後のイメージを持ちやすくなります。
参考:青樹印刷株式会社様の導入事例を見る
2社に共通するのは、電子ブックそのものを売るのではなく、顧客の課題を解決する手段として提案している点です。
営業では「電子ブックを導入しませんか」と切り出すより、「今のカタログで困っていることはありませんか」と聞き、その課題に合った使い方を見せることが大切です。印刷会社は、顧客から利用許可を得た既存の制作データを活用できるため、この流れを作りやすいのが強みです。
電子ブックを提案するときは、紙媒体との使い分けや運用体制を事前に整理しておくことが大切です。
印刷会社が電子ブックの提案をためらう理由として多いのが、自社の印刷物の売上が減るのではないかという懸念です。この点について、現場で印刷会社様を支援するActiBookの営業担当者は次のように話します。
ActiBook営業担当者
「デジタルを提案することは、むしろ他社からのリプレイスを防ぎ、自社の印刷物や制作依頼を守る、囲い込むことにつながります。お客様側も紙とデジタルの使い分けを求めているので、セット提案を強みにしてほしいですね」
電子ブックを提案するからといって、紙をすべてなくす必要はありません。また、PDFをそのまま載せるだけの提案では、顧客に価値が伝わりません。
紙のカタログには、対面で渡しやすい、一覧しやすいといったメリットがあります。一方、電子ブックには、URLで共有しやすい、検索しやすい、更新しやすい、閲覧データを確認できるといった強みがあります。それぞれの特徴を踏まえ、紙を使う場面とデジタルを使う場面を整理しましょう。
では、顧客にはどのような切り口が響くのでしょうか。営業担当者は次のように話します。
ActiBook営業担当者
「営業やコンサルタントとして印刷会社様の支援をするなかで、お客様に一番興味を持たれやすいと感じるのが『紙とデジタルの最適化』という切り口です。エンドユーザーの情報取得の方法が多様化している現状を伝えて、紙とデジタルを最適化することが結果的にコストダウンや売上アップにつながる、とお伝えすると響きやすいと感じます」
制作費だけで提案すると、納品後の更新や管理にかかる工数を見落とすおそれがあります。事前に次の内容を整理しておきましょう。
特に、印刷会社が電子ブックを顧客へ提供する場合は、利用するサービスの契約条件を確認する必要があります。ActiBookには、印刷会社向けプランが用意されています。顧客への提供や代理販売を検討する場合は、対応プランを確認しましょう。
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電子ブックの提案を始めるなら、まず顧客に実物を見せるのがおすすめです。ActiBookは、PDFをアップロードするだけで電子ブックを作成できるクラウド型のツールです。Webサーバーの専門知識がなくても、営業担当者自身でサンプルを作れます。
【画像挿入】ActiBookを使ったサンプルブック提示までの流れ(PDFの準備 → アップロード → 電子ブックURLの生成 → 顧客へのサンプル提示)
ALT:ActiBookを使って印刷会社が電子ブックのサンプルを作成する流れ
まず、カタログやパンフレットについて、顧客がどんな課題を抱えているか確認します。印刷コスト、更新頻度、資料の管理方法、配布後の効果測定などです。課題がわかれば、前述の5つの方法のうちどれを使うか判断できます。
次に、顧客がすでに使っているカタログやパンフレットのPDFを用意します。顧客の許可を得たうえでActiBookにアップロードすると、電子ブックのURLが自動で生成されます。
新たにデザインを作らなくても、既存の印刷データで活用イメージを示せるのが、印刷会社ならではのメリットです。
サンプルができたら、商談で実際に操作しながら説明します。ページをめくるだけでなく、顧客の課題に合わせて機能を紹介するのがポイントです。
例えば、印刷コストの見直しが目的ならURLでの配布方法を、効果測定が目的なら閲覧ログの活用方法を紹介します。青樹印刷様の事例のように、実際に動くサンプルを見せることで、顧客が導入後の使い方を具体的にイメージしやすくなります。
サンプルを見せたあとは、紙と電子ブックを組み合わせた見積もりを提示します。「印刷のみ」「印刷+電子ブック制作」「印刷+電子ブック制作+更新・分析支援」のように、前述の販売メニューを組み合わせて段階的な選択肢を用意すると、顧客が必要なサービスを比較しやすくなります。
顧客が必要なサービスを選べるようにすることで、印刷料金だけの比較ではなく、提供価値を踏まえた商談につなげられます。実際の価格は、制作工数や電子ブックの利用料金、運用範囲を踏まえて設定してください。
ActiBookには、トライアルプランがあります。容量や冊数には制限がありますが、操作感の確認やサンプル作成は十分に試せます。
まずは手元のPDFを電子ブック化して、顧客にどのように見せられるか確認してみましょう。
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印刷会社が電子ブックを提案するときは、紙媒体を置き換えるのではなく、紙とデジタルを組み合わせて顧客の課題を解決することが大切です。
印刷コストの最適化、閲覧ログの分析、情報更新の効率化、資料の一元管理、公開範囲の制限など、顧客の課題によって提案の切り口は変わります。紙とセットで提供すれば、制作・更新・運用支援といった新たな受注機会が生まれ、既存顧客との取引も守りやすくなります。
最初から複雑な提案を用意する必要はありません。まずは既存のカタログやパンフレットを電子ブック化し、顧客に実物を見せるところから始めましょう。
ActiBookでは、無料プランで電子ブックのサンプルを作成できます。印刷会社が顧客へ電子ブックを提供するためのプランも用意しています。具体的な売り方を知りたい方は、「10分で分かる電子ブックの提案方法と売り方」の動画も参考にしてください。
参考:【動画】10分で分かる 電子ブックの提案方法と売り方
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